シーズンが終わる頃・・・
ワールドスーパーバイクの最終戦が終わった。その最終戦の舞台はポルトガルのPORTIMAOという新しいサーキットで、まだ施設が全て完成していないほど出来たてホヤホヤ。
最終戦は毎年色々な想いが重なり、センチメンタルな気分になる。
膨大な予算が動き、携わる人々の労力や思い入れ、そして出会いと旅立ち・・・激しい競技でありながら、もちろんビジネスに直結していたり、そこへ携わる人々の人情や感情をも入り込む世界だったりする。
ライダーだってそうだ ! プロライダーを夢見て、ワンチャンスを掴むため全力で戦う。特に最終戦ともなれば来期に向けての最後のアピール・・・我武者羅だ。
http://www.worldsbk.com/pubb_EN/popup.php?id=289
ストリートバイクから殆ど改造できない STK600 クラス。マシンもほぼ同じ、使用するタイヤも全く同じ。違うのはライダーだけ。分かりやすい・・・こんなレースを見たときには、誰だって応援したくなるんじゃない?? こんなレースを国内で見て見たいものだけど、競争させない(教育方針)時代で育った世代には、根底から無理な気がする。
でも勝負に挑む姿勢は大切なんじゃないかと。もちろん人として、社会常識なルールにのっとってでの話だが。もの作り、人の育成など、日本人が最も得意とする文化を大切にするべきだと考える。
先日岡山国際サーキットに行った。ず~っと山中に篭って1週間も走行を続けた。
思えばその昔、日本にモータースポーツや「レース」という言葉が沸き起こった頃、浅間山火山レースという日本最古? のオートバイレースが開催されていた。このレースに挑む為、数ヶ月間浅間山に篭り、マシン開発やライダートレーニングに明け暮れていた話を聞いた事がある。これはメーカーの一大プロジェクトであり、当然精鋭の人材が現地で汗を流していたのだと考えられる。物資も環境も決して良いはずもなく、それでも目的に向かって必死の作業を繰り返されていたはずだ。
これが今の日本を支えた文化ではないだろうか? この精神が夢や希望をもたらせていたのではないだろうか?
夢が無い? いや夢中になることこそ大切で、その先には実現できそうな夢があるから。その夢が叶う喜びを感じられたら、今度は叶わないかもしれない「大きな夢」を見ることも出来るはず。そんな世の中であって欲しいな・・・
これは始めの岡山国際サーキットのピットガレージ。朝シャッターをガラガラ・・・と開けて見ると、なんだか様子が変?? テーブルにあった菓子類が散乱している。
写真にある菓子袋は「雪の宿」。二枚入りの袋に一枚が無く、近くに欠片が落ちていた。
加えて、キットカット・チョコに鋭利なものをさした穴が無数に空いている・・・ん?誰か来た?
そのピットは壁面フェンス上部が筒抜けで・・・
どうやらサルらしき動物が侵入してきたみたいだ♪ キットカットは銀紙が剥けず、きっと噛み付いて見たら銀紙特有の「ギリッ」とした感触にやられて断念。そして雪の宿は一枚食べて見たものの、彼(奴)の口には召さなかったので途中で廃棄・・・そんな情景が浮かんだ。
これから寒くなる季節。今のうちに栄養を蓄え、冬を乗り切る準備をしている彼らは生きる術を知っている。本能だけど分かりやすい !
どんなプロスポーツでも、いずれは引退が訪れる。この季節はそんな報道も良く見かけるが、これはある意味自然の摂理でもあるだろう。プロスポーツのあり方とは、現役後の世界がある程度見えること。必死で取り組んだ先に見えるものは栄光だけじゃなく、生涯に渡って携われる環境があることも大切な夢なんだと思う。
※サルは何にも関係なかったけどね・・・