混乱波乱の前後、8耐を思う・・・
典型的なゲリラ豪雨。
今年の鈴鹿8耐は、スタート直後から荒れ荒れの展開で、スターライダー不在ながら最後まで目が離せなかった。
普通に考えればホンダファクトリーマシン貸与チームが他のチームを圧倒し、ヨシムラチームが食らい付くはずだったが、たった1周とコーナー2つで転倒してしまったTSRに始まり、開始30分過ぎに周回遅れのアクシデントに巻き込まれたハルクプロ。これにより楽な展開となったヨシムラは、リスクを最小限に抑えたペースを維持し優勝を飾った。
レースで気になったのは、降り出した豪雨で転倒車がでたことでペースカーを導入したのだが、これが安易過ぎる気がした。もちろん安全性を最大限考慮しての判断だろうが、コンディションが改善しても一向にペースカーは先導を続けたまま。見ていて飽きてしまった。たぶんお客さんもじゃないかな?
極めつけは最終コーナーでいきなり居なくなるペースカー!! ライダーは慌てるだろ?そんな状況が影響してか、リ・スタート開始直後に1コーナーで多重クラッシュ・・・またペースカー。ふぅ~。
まぁいろいろあった今年の8耐だったが、先日触れたヤマハ オーストリア レーシングチーム(YART)が見事に4位入賞し、ア・ウェイの鈴鹿でチームの実力を見せ付けた。これには拍手だった♪ 本当はもう一息で3位ゲットしていたならば、今シーズンのワールド エンデュランス チャンピオン獲得だったのだけど、それは次回へのお楽しみ。
写真のチームは11位で貴重なポイントをゲットした #14 BK Maco moto の搬入風景。彼らはまたクレーツ1個で乗り込んできたのだが、何と今年は2台のマシンが梱包されており、しかも当然耐久レースを戦うスペアホイールを含む機材も一式入っていた!!!!!
この合理性は参考にして良いと思う。日本はコンビニが象徴するように、とても便利な国だ。色々な物資も比較的簡単に手に入り、気が付いたら機材や物資は無限大に膨らんでしまっている。今度はそれを運ぶラックやトランスポーターも肥大化し、全てのボリュームは増えていく一方だが、あるものの中で工夫を凝らし、最小限でやり過ごすスタイルは、プライベーターにとって本当は本来の姿なのかもしれない。そのヒントが彼らの中に感じられる。
今年の8耐を見ていて、そろそろ初代の参加型で良いんじゃない? なんて感じた。本来世界耐久選手権は、シリーズ全戦参戦しなくてはならない。しかし昨年と違って、今年の鈴鹿は全戦参戦する義務がなくなっている・・・ということは、チームの参戦コストを踏まえて「外れた」ともいえる。SBKやmotoGPともスケジュールがバッティングし、彼らのスポット参戦も不可能・・・色々な面で魅力が薄れてしまっているのが実際だろう。
しかし日本の多くのチームは、この8耐を1年に1回のイベントとして多大なエネルギーをつぎ込んでいることには変わりなく、その努力が報われるレースであるべきなんじゃないか? とも感じる。ファクトリー系が億単位の予算で参戦できた良き? 時代は終焉を向かえ、鈴鹿8耐は本来の姿へと戻るべきなのかも知れない。出来れば10月末~11月初旬開催で、全ての選手権終了後、観戦にも参戦にも季節の良い時期で、イベントレースとして開催されるほうが、今となっては盛り上がると思うのだが・・・如何だろう?
世界選手権を戦う彼らは、激しかった8時間を戦い抜いた後、まだ熱いエンジンのマシンをバラバラにして梱包。全て撤収して翌朝 6時に鈴鹿を後にした。相当な情熱がなければ成し得ないことだろう・・・来年も来るのかな??