スーちゃん
それは突然の悲報だった…
中学生の頃、学校の勉強以外は何もかも楽しくて、興味を共にする仲間達と夢中になった。自転車からバイク、飛行機、音楽、テレビ番組…。その全てに可能性や将来を夢見た時代だった。その中のひとつに彼女達のグループがあった。それまでの、いわゆるアイドルとは違い、等身大の仲間のような存在で、気負わなく飾らず、「ノリ」が良く、それでいて本業のスキルは高い。その3人グループの魅力はドンドン大きくなっていき、絶頂期を迎えていた。
そんなある日、東京に住んでいた先輩から電話があった。「解散するらしい…」と。自分の中では、それが信じられない思いと、残念な思いが拮抗する中、賑やかなテレビやステージからは想像できなかった彼女達の思いを知った瞬間だった。
中学卒業の春、彼女達のファイナルカーニバル当日。ちょうど飛行機の競技会で東京にいた。自分の身体とあまり変わらない大きさの飛行機を抱えたまま、その先輩と電車で会場横を通り過ぎた。本当は行きたかった…最後の瞬間を自分の目に焼きつかせたかった、切ない15才の春だった。
当時はビデオすら一般的ではなかった時代。手元に残るのは、彼女達の残したレコードだけ。今でも大切にレコードプレイヤーやアンプ類と一緒に残してある。何度かCDを買おうと思ったが…結局それはやめた。その理由は、彼女達の思いと共通するものがあったのかもしれないが、「当時の思いは当時のまま仕舞っておきたい」という気持ちが強かった。
数年前、NHKで彼女達の特集があった。解散してちょうど30年経っていた。時間の経過は、その後過ごしてきた自分の人生を改めて数値化してくれたが、流れる当時の映像は当時のままで、心の中にしまってあったそのものが今の時代にリプレイされ、懐かしくもあり嬉しくもあった。
その映像を見ていて初めて気付いた。「最高の形で解散したかった…」という彼女達の言葉。その意味が…
それは 30年経った今でも、当時の思いがそのままである自分がいた。「最高だよ…」
当時は残念に思えた。だが今では、本当にありがとう ! という思いが強い。こんな事を思うのを「馬っ鹿見たい」と思うだろうけど、それだけ夢中になれた時間だったという証であり、それだけ心を動かされた経験をしたという事。また彼女達からは、「自分を支えてくれるのは周りの人達(ファン)があってからこそ」という、どんな時も、誰に対しても謙虚な姿勢を忘れない大切さを教わったと思う…
このグループは、3人揃う事で始めて成り立つ。そのひとりが先に旅立ってしまった。その模様がインターネットを通し、いくつものニュースソースで伝わってきた。その場面場面を想像するだけで、3人の変わらない固い絆が見て取れる。そして「愛」という言葉が本当に似合うグループだったと感じた。
これから先もずっと、彼女達のファンでいたことに誇りを持っていけるよ…
スーちゃん、本当にありがとう !! お疲れさま ! ゆっくり休んでください…
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